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またまた是枝監督の『三度目の殺人』を・・・

先日、第41回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか多数を受賞した是枝裕和監督の『三度目の殺人』を観ました。そうですね『万引き家族』の是枝監督で、福山雅治さんと役所広司さんが主演の作品です。

福山雅治演じる重盛弁護士は、「真実」は二の次で判決の勝敗にこだわる冷めた人物。依頼人の要求が減刑であれば、事件の真相は追求せずに減刑することだけを念頭に証拠集めや調査を行います。「真実は誰もわからないのだから、メリットのある結果を出す」というのが彼のモットーでした。

そんな重盛が殺人事件の弁護を担当することになります。前科のある三隅という役所広司演じる男が、解雇された工場の社長を殺した容疑で起訴されているとのこと。これは“二度目の殺人”で、三隅は容疑を認めているため死刑は確実でした。しかし重盛は弁護の依頼を受け、無期懲役に減刑できないかと三隅の周囲を調べ始めます。

始めは「金銭目的で社長を襲った」と供述していた三隅でしたが、その約10日後、週刊誌に「社長の妻・美津江に頼まれて保険金目的で殺した」と告白。三隅は証拠のメールも残っていると言い、犯行の前報酬と思わせるような50万円の振り込み通帳も提示してきます。

美津江との関係の裏を取るために、重盛は三隅のアパートを訪ねます。大家に話を聞いたところ、三隅のアパートには足の悪い女の子が頻繁に訪れていたといいます。この足の悪い少女は、被害者の娘・咲江(広瀬すず)・・・。なぜ被害者の娘が容疑者の家を頻繁に訪ねていたのか? 

更に三隅は自分が捕まるのを想定していたかのように身の回りを整理していたことも分かります。ただの強盗殺人だと思われていた事件の謎は、更に謎に包まれていくのです。30年前の刑期を終え刑務所から出てきた三隅は、当時、自分に有罪判決を下した裁判長(重盛の父)に1枚のはがきを送ります。そこには「4歳の娘と雪遊びをしたことを思い出している」と書いてあるのでした。

証言が二転三転していく三隅という人物…ぼやけていく中で、公判が開廷していきます…。

映画の途中では三隅が重盛と手を合わせただけで彼の心を読んでいくシーンがあります。映画グリーンマイルという名作がありますが、そんな映画と重なる部分もあって、私は映画の中にすんなり入れた気がしています。

謎の殺人動機、謎の十字架、三度目の殺人の対象、司法の在り方・・・人を裁くということ・・・。考えさせられる事は沢山ありましたが、なかなか見ごたえのある作品だったかと思います。欲を言うなら、重盛役は福山さんのイメージに合わないのではと思ってしまいはしましたが・・・。

ところで全く違う映画の話ですが、紀里谷和明監督の『GOEMON』という映画を観る機会というか知る機会があったのですが、始めの25分を観ただけで観るのが嫌になってしまいました。お気に入りの方には申し訳ないのですが、私はダメでした。

素晴らしい役者さんが沢山出ているのに、何とも衣装や背景に頑張りすぎて、その割に特撮がひどくて、作品の中に入り込めず、散々な出来。変に凝らずに普通に作れば役者の力だけでも充分迫力のある物になったはずなのに…と残念な気持ちで一杯になりました。この前の『CASSHERN』という作品も私はダメでしたが、どうも、この監督の物は私には合わないようです・・・。

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