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世界を20分超駆け巡った謎の地震…その後

昨年2018年12月7日に、このブログでも書かせて頂いた【世界を駆け巡った謎の地震!!あなたは?!】…2018年11月11日、奇妙な地震が世界を駆け巡り、1万7000キロ以上離れた地震計にも記録されたにもかかわらず、周期があまりに長かったため、揺れを感じた人は誰もいなかった…という謎の地震。その後、その謎の地震について、驚きの調査報告があったという事で、今日は、その観測史上最大級の海底火山活動確認のお話をば。

ニュースが報じられたのは、つい先日5月24日の事。どうやらマヨット島から東に約50キロ離れた海底で、火山が誕生していたらしいのです。水深3200メートルの海底に出現した火山の高さは800メートル近くあり、直径は広い所で4.8キロと計測されており、これは観測史上最大級の海底火山活動なんだそうな。

話題のマヨット島が属するコモロ諸島は火山島ですが、噴火は4000年以上起こっていなかったんだとか。ところが2018年5月から、マヨット島周辺の地質活動が突然活発になり、マグニチュード3.5の地震が1800回以上記録され、島自体も、同年7月中旬から、東へ向かって毎月1.5センチ移動し、1センチずつ海に沈んでいるそうです。

そして11月、奇妙な地震の波が発生したのです。20分以上も続きましたが、あまりに低周波だったために揺れを感じた人はなく、ただ1人、ある地震マニアだけが、米国地質調査所のリアルタイム地震観測モニターに、奇妙なジグザグの波形が記録されているのに気づき、その画像をツイッターに投稿すると、世界中の科学者が飛びついたという訳です。

火山活動とこれらの現象との関連は、今年2月の論文で、観測史上最大級の海底火山活動により、巨大なマグマ溜りからマグマが抜け始めたことが群発地震の原因であるとしているものの、海底を震源地とする地震の観測は十分ではなく、噴火の直接的な証拠もないそうで、今のところ、詳しいことは言えないんだとか…。

火山は明らかに新しいけれど、どの程度新しいかも分かっていません。ただ、2015年に作られた海底地形図に、この火山は存在していません。ハワイの島々は、ホットスポットと呼ばれるタイプの火山活動によってできました。それぞれの島は、マントルの中を上昇してきたマグマが噴き出して形成されたもの。

マントルの上のプレートが移動すると噴き出し口が移動し、ずっと同じ場所に新しい島が次々と誕生するということが繰り返され、島が鎖のように連なったというわけです。ところが今回のケースでは、ハワイのようにできた順に並んでいるのではなく、コモロ諸島のなかでも最古のマヨット島沖で起きています。

最近の欧州地球科学連合の学会で発表された報告書によると、11月に記録されたような低周波の長い震動は、マヨット島の一連の出来事のなかでは唯一の事象ではなく、長く続く群発地震に伴うものだそうです。ところが、どのような状況が低周波の震動や群発地震を引き起こしているのか、正確には分かっていないし、火山の噴火が今も続いているかさえ定かではないとのこと。

「まだ多くの研究が必要」と言われつつも「海底火山が誕生または復活するところを研究できるかもしれないチャンス」ということで、今後も、この関連のニュースは、見逃せそうもありませんね。

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