『Mr.ノーバディ』（原題：Nobody）は、2021年のアメリカのアクション映画。

平凡で何者でもない存在（ノーバディ）として妻子と暮らしていた中年男の活躍を描いているのですが、実はこの中年男、隠された過去があるらしく・・・。

郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復するだけの単調な毎日を送っている会計士を務める主人公ハッチは、地味な見た目で目立った特徴もなく、仕事は過小評価され、家庭では妻に距離を置かれて息子から尊敬されることもない。世間から見ればどこにでもいる、ごく普通の平凡な男として映画は始まっていきます。

ある夜、男女2人組の強盗がハッチの家に侵入。彼はチャンスがあったにも関わらず反撃を躊躇し、2人を取り逃がしてしまう。そのため息子のブレイクと妻のベッカはハッチに失望し、彼からますます心が離れそうになります。そんな中、娘のネコのブレスレットがなくなったことに気づくと、憤慨したハッチは強盗犯の自宅を探り出し、夫婦であった2人組を痛めつけて奪還を試みますが、そこで酸素マスクを装着した乳児の姿を見て矛先を見失い、自らの腕時計だけを取り返して彼らを見逃してしまいます。

悶々としたままバスで帰途に就いたハッチでしたが、その最中、バスに乗り込んできたチンピラグループの挑発が引き金となり、ついに堪忍袋の緒が切れてしまいます。この事件がきっかけとなり、彼の過去が明らかになっていくのですが、まぁ、普通のおっさんにしては、あまりにも強く逞し過ぎること。

一見してごく普通の中年男が、世の中の理不尽に怒りを爆発させて大暴れし、やがて武装集団やマフィアを相手に激しい戦いを繰り広げる姿を描いた痛快ハードボイルドアクションと言った感じで、なんと主人公の父親となる老人もスーパーで、どうみても過去は出来る007かジョンウィック。

映画「ジョン・ウィック」の脚本家デレク・コルスタッドと製作デビッド・リーチが再タッグを組んだだけあって、凄まじかったです。また、各シーンで使われている音楽も、なかなかセンスが良く、音楽通には笑えてしまう部分も多かった気がします。

まもなくゴールデンウィークなので、ちょっとスカッとしたい方は是非お勧めの映画となっています。

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