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遺伝毒性を持ち、食品に混在する【アクリルアミド】

『スーパーにあふれる「発がん性」有害物質 EU指標をオーバーした商品の実名』そんなタイトルのニュースが、つい先日報じられ【アクリルアミド】について触れられていましたがご存知でしょうか。

【アクリルアミド】とは、化合物の一種。『遺伝毒性』を持つことが分かっているそうで、【アクリルアミド】が体内に入り、代謝される過程で遺伝子にくっつき、突然変異を生じさせるとのこと。これを『遺伝毒性』と呼ぶそうですが、そうして出来た異常な細胞が、後にがん細胞になりやすくなるという怖いお話。ラットの実験では有意にがん発症率が上がることが実証され、ヒトに対しても、発がん性を有する疑いがあるとされているらしいのです。

【アクリルアミド】は、もともと食卓にはないと考えられていた物質で、本来、工業用として、主に水処理剤や土壌凝固剤として用いられ、発がん性があることから「劇物」指定され、工事現場では厳重に管理されているそうです。ところが、90年代末、スウェーデンのトンネル工事の最中、水漏れが発生。工業用の資材に含まれていたアクリルアミドが大量に流れ出し、魚が死に、牛にも麻痺症状が出てしまいました。

そこで、スウェーデン政府はストックホルム大学と共同で、作業員や周辺住民の体内のアクリルアミド濃度を検査したのですが、明らかに汚染地域から離れている住民からも低濃度ながらそれが検出されたのです。そこで、更に調査を進めたところ、ある種の食品からもアクリルアミドが検出されることが分かったのです。その研究結果が発表されたのは2002年…。まだ、日本では知名度の低いお話です。

・・・で、ここからが本題。食品に含まれる【アクリルアミド】って、どうして、そんな物がというお話。なんと食品中に含まれる還元糖とアミノ酸の一種・アスパラギンを、120~150度で焼いたり、炒めたり、揚げたりすると、あの【アクリルアミド】が出来てしまうことが分かってきたのです。おまけに還元糖やアスパラギンを豊富に含む食材は、穀類、いも類、野菜類と幅広く、これらを高温加熱した料理では【アクリルアミド】が発生する可能性が高くなるため、かなりの食品に含まれることが想像されるというのです。

農林水産省のホームページには以下の様に書かれていました。

★どのようにして食品でできるのか
•食品中に【アクリルアミド】ができる主な原因は、原材料に含まれているある特定のアミノ酸と糖類が、揚げる、焼く、焙るなどの高温での加熱(120℃以上)により化学反応を起こすためと考えられています。水分含有量の少ない場合には、特に【アクリルアミド】ができやすくなるとされています。
•アミノ酸や糖類は、食品にごく普通に含まれている一般的な化学物質であり、栄養成分でもあります。特に、穀類、いも類、野菜類などに豊富に含まれています。食品に含まれているそのような化学物質は、加熱によって分解したり、別の化学物質に変化したりしますが、その過程で【アクリルアミド】もできてしまうと考えられています。
•食品の加熱によって起こる食品成分の化学変化は、色や風味の形成のように食品の美味しさにとても重要な役割を果たしていることが知られています。加熱すると、食品の消化性が良くなりますし、有害な微生物も殺菌されます。そのため、風味や食感といった食品に求められている品質を保ちながら、【アクリルアミド】ができないように加熱調理することはとても難しいのです。ですから、世界中の研究者や食品企業は、食品に含まれる【アクリルアミド】をできるだけ少なくするための研究を続けています。

★どのような食品に含まれているのか
•【アクリルアミド】は、炭水化物を多く含む原材料を高温(120℃以上)で加熱調理した食品に含まれる可能性があります。例えば、ポテトチップス、フライドポテトなど、じゃがいもを揚げたスナックや料理、ビスケット、クッキーのように穀類を原材料とする焼き菓子などに、高濃度に含まれていることが報告されています。
•コーヒー豆、ほうじ茶葉、煎り麦のように、高温で焙煎した食品にも【アクリルアミド】が高濃度に含まれていることが報告されています。【アクリルアミド】はとても水に溶けやすいため、これらから抽出したコーヒー、ほうじ茶、麦茶などの飲料にも【アクリルアミド】が含まれていることが確認されています。
•【アクリルアミド】が含まれている食品は、市販の加工食品だけではありません。【アクリルアミド】ができる仕組みには食品の加熱が関係していることから、家庭で食品を調理する場合にも【アクリルアミド】が生成する条件がそろえば、【アクリルアミド】ができてしまう可能性があります。例えば、野菜の素揚げや炒めもの、手作りの焼き菓子、トーストしたパンなどにも【アクリルアミド】が含まれていることが確認されています。
•加熱していない生の食材には【アクリルアミド】は含まれていません。また、加熱調理した食品でも茹でたり、蒸したりした食品には【アクリルアミド】が含まれていないか、含まれていても極微量であることが報告されています。
•食品ではありませんが、私たちが接する身近なものとしてはタバコの煙にも【アクリルアミド】が含まれています。

★食品にどのくらい含まれているのか
農林水産省は、国内外の調査で【アクリルアミド】が多く含まれていると報告されている加工食品や、日本人の摂取量が多い加工食品など幅広い食品を対象として、【アクリルアミド】の含有実態を調査しています。(調査結果は同ホームページに記載されています。)

【アクリルアミド】は意図せずできてしまうもので、食品添加物のように意図して加えるものではない為、国の管理が利きません。遺伝子を傷つける作用を持っているので、量に関係なく、わずかでも存在すれば、細胞をがん化させる可能性が上がるといことで、この量までなら大丈夫という許容量を設けることも難しく、できる限り量を減らす必要があります。

アメリカのカリフォルニア州では昨年、裁判所が「コーヒーに、発がん性成分が含まれるとの警告表示が必要だ」との判決を出、EUでは、食品ごとに【アクリルアミド】の「指標値」を設定して、これを超える商品があった場合は調査するよう、加盟国に勧告を出しているそうです。

食品安全委員会のホームページに記載されている話によると、食品中に含まれる【アクリルアミド】の人の健康への影響、食品中に含まれる【アクリルアミド】を摂取した際の影響については、発がん性の有無を含め、 解明されていませんが、 動物を用いた実験では、極めて高用量の【アクリルアミド】を投与した場合に発がん性が報告されていることから、人に対しても発がん性を有する可能性が考えられるとのことで、今も厚生労働省ほか、米国、欧州等で調査研究が進行中とのこと。

同ホームページには、とりあえず今、どのような対応をするべきかが書かれていましたので、最後にご紹介させて頂きます。出来る対策から取り組んでいきたいものです。

(1)十分な果実、野菜を含む様々な食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪が多い食品の過 度な摂取を控える
(2)炭水化物の多い食品を焼いたり、揚げたりする場合には必要以上に長時間、高温で加熱 しない

※生のジャガイモを冷蔵庫(低温(2~4℃))で保存すると、ジャガイモに含まれているデンプンの一部が、 高温で加熱した際に【アクリルアミド】生成の原因となる還元糖へと変化します。このようなジャガイ モを素揚げ調理に用いると、強い焦げ色がついてしまい、きれいに料理が仕上がらないばかりでな く、生成する【アクリルアミド】の量が10倍以上増加します。

ただし、煮物や蒸し物にする場合は【アク リルアミド】は生成しません。市販されているポテトチップスは、揚げ色が悪くならないように原料イモの低温貯蔵は避けられており、これは加工後の【アクリルアミド】の生成を少なくする上でも好ま しいことだそうです。まだまだ不明な部分も多く、様々な場で、調査や対策が進んでおりますが、私たち自身の調理の過程でも発生してしまう【アクリルアミド】ですので、気を付けていきたいですよね。

さてさて、久しぶりに次回暗号問題と行きましょうか。今回は古代ギリシャで紀元前2世紀に発明したと言われる暗号から「353424433433」という数字を読み解いて、小文字にしたものとします。アルファベット6文字ですね。最初の頃のブログを振り返って頂くか、ネット検索でも直ぐに見つけられるはずのベーシックな暗号問題です。

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