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彼女が欲しくても作ってはならないと・・・

先日、【第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品 『筋強直性ジストロフィーという難病を発症して 医師になったぼくは』】を見ました。

1万人に一人が患うという筋ジストロフィーの1種・筋強直性ジストロフィー。19番目の染色体の中の遺伝子の異常で起こる遺伝性の難病です。今の医療では完治できないのだそうです。症状は筋肉の衰えで、筋肉がこわばるミオトニアが主な症状ですが、白内障や呼吸機能の低下、嚥下(えんげ)障害など様々な合併症が出るケースが多くあります。また症状が出ない人から重症まで幅広く、遺伝する確率は2分の1と言われています。この病気は1世帯に複数人が発症するケースもあり、患者や家族は逃れられない宿命を背負うことになってしまうそうです。

愛媛県松山市の明地純さんは、2008年に筋強直性ジストロフィーと診断されました。そして翌年、2分の1の確率で発症すると言われていた兄の明地雄司さん自らも遺伝していることが判明。約8年後の今も症状がゆっくり進行していることを定期検査で実感しています。

明地雄司さん(32歳)は、松山市内の病院で研修医として働いています。明地さんが医師の道を選んだのは、遺伝性のある病気「筋強直性ジストロフィー」と診断されたのがきっかけでした。明地さんは、自らが患者でありながら、同じ病気で苦しむ人を救いたいと神経内科医を目指したのです。

この病気は根本的な治療法が見つかっておらず、明智さんは2016年、発足人の一人として患者会を立ち上げ、治療薬の治験への協力も図っています。「死ぬときは何時だって誰だって死ねる。だから、天寿を全うしよう」と患者会を設立したのです。

番組ではこの病気の判明前後の苦悩等を記した明地さんの日記やエンディングノートも取りあげ、患者本人にしか分からない生の心情を伝えていきます。中でも健康な人が営む異性との付き合いや結婚などへの思いは・・・

『彼女ができて、やがて結婚した時、生まれてくる子供にも遺伝してしまうかもしれないと考えてしまう…だから、彼女が欲しくても作れない…。』そんな気持ちを聞いた時には、本当に胸を締め付けられるような思いがしました。

【今まで出来たこと。出来なくなったこと。まだ、出来ること。】

この病気は患者数が少ない上、専門知識のある医師も少数とのこと。そのため肺機能の低下や白内障に嚥下障害など様々な合併症に気付けなかったり、診断に至った場合でも、適切に対症療法に取り組めなかったりするそうです。中には、患者自身が治療をあきらめてしまい、心身ともに困難な生活環境に置かれるケースまであるといいます。

正しい病気の情報があることは家族・患者の精神状態にも大きな影響を及ぼします。患者会では患者・家族の支援やこの病気の正しい向き合い方を知ってもらい、患者が希望を託す治療薬の治験への協力の一助となるよう、この病気の患者の病状をデータベース化している患者登録への協力を呼びかけています。

待ち望まれる治療薬の開発については、あと一歩の段階まで進んでいるといいます。この病気の日本の最先端拠点・大阪大学では、既に認可されている薬の中に、原因に直接作用する有効性があることを見出しました。近く治験に取り組み、数年先の実用化を目指しているとのことです。

自らの難病に挑んでいる明地雄司さんの生き様。重い宿命を背負うことになった明地雄司さんの願い…治療薬が一日も早く届けられますように…。健康な人と同じように、人を愛し、子供を持つことができますように。

※パスワードの保護を解除しました。前回出題の暗号問題回答は、次のブログに掲載しています。

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