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学生も知るべき、論文における「キーワード選択」の重要性

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キーワードに印をつける
学生の皆さんがみずから論文を探す際、Google Scholarなどの検索サービスでキーワードを打ち込み、ヒットする論文を読むことが多いかと思います。目的とする内容の論文が見つかれば問題ないですが、中には目的とする内容とは異なる、的外れな論文がヒットすることがあります。 論文執筆において「研究内容を端的に表すキーワードを盛り込むこと」を意識するのは、その論文が正しく分類・登録され、興味を持っている人達に読んでもらうために役立ちます。 一方で、上記のような「研究者にとっての探しやすさ」はあくまでキーワードの一側面に過ぎません。実は「研究資金の獲得」「ジャーナルへの投稿」においても、どのようなキーワードを登録するかが重要な役割を果たします。 今回は論文におけるキーワード選択の重要性についてご紹介します。

自身の研究を広めるのに大切な「キーワード」の基本

研究発表スライドや学士論文、修士論文などを書く際に、研究内容そのものの重要性・新規性・応用性などをアピールする意識は、多くの学生さんが持っていると思います。 結果として、論文執筆に着手する際は「研究内容」に多くの力を注ぎ、概要(アブストラクト)やキーワード選定にはあまり力を入れないという方も多いのではないでしょうか。 しかし、将来的に研究者として独り立ちを考えている方にとっては、キーワードを選ぶテクニックは重要です。というのも、キーワードの選び方によって、査読の通りやすさや科研費の取りやすさが違ってくるからです。 科研費を拠出する機関やジャーナルの編集者は日々膨大な論文に目を通しますが、はじめにチェックするポイントはタイトルや概要(アブストラクト)です。これら項目に戦略的にキーワードを含めることは、自身の論文を「きちんと読んでもらう」ために役立ちます。 極端な話、科研費の審査や、ジャーナルの編集者が査読者に論文を送るべきかの判断においては、タイトルやアブストラクトの内容に左右されるとも言えます。 キーワードを意識するだけで、あなたの論文が研究費用を取るための十分な評価を受ける可能性だってあるのです。「研究費用を取るための戦略的な書き方」については意識がないという学生さんは是非、キーワードの重要性について今一度、意識してみてください。

トレンドキーワードを意識することの重要性

また、科研費を拠出する側の機関は、その時々によって注目する研究内容があります。これを仮に「トレンド」と呼ぶこととすると、学術研究においては確実に「トレンドキーワード」というべきものが存在しています。

トレンドキーワードの実例(ライフサイエンス分野を例に)

最近のライフサイエンス分野では「がん免疫」「がんゲノム」といったキーワードがトレンドの一つとなっています。これらのキーワードを含む論文の注目度は高く、学術研究の助成団体から多額の研究費が投じられています。

トレンドキーワードを調べる方法

「今のトレンドが何なのか」は学会誌や論文を多数読むことで調べることが出来ます。最近公開された論文において何度も出てくるキーワードは、今のトレンドになっている可能性が高いです。 また、自発的に学会に出席することや、時勢に詳しい指導教員に訊くこともオススメです。トレンドキーワードを調べる方法に簡単な方法はありません。日頃から地道に論文や学術誌を読み、情報を収集することに尽きるのです。

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