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「シングルセル解析」のキーテクノロジー② in 第41回日本分子生物学会年会

テクノロジー

シングルセル日本分子生物学会

10x Genomics社 『Chromium』
株式会社スクラムは広い視野でライフサイエンス分野を見つめる企業。取り扱っている10x Genomics社 (10x社)の『Chromium』はシングルセル解析分野において、「解析できる細胞数の多さ」と「幅広いアプリケーション」に強みを持っています。担当の松山さんは、これから重宝されるだろう学生のスキルについても聞かせてくれました。

最大8万個の細胞を約8分でシングルセル分割
8サンプルの同時処理が可能な前処理装置

マーケティング&学術部 松山治代さん  株式会社スクラムはライフサイエンス専門の輸入商社。微生物・動物細胞の培養やタンパク質構造解析、シーケンサー関連の製品の取り扱いや、最先端の実験機器の輸入代行などを行っています。また、機器の取り扱いだけでなく、ペプチド合成や、抗体作製の受託サービスを行っています。  シングルセル解析の分野で同社が取り扱うのは、10x社の『Chromium』。この機器について、松山さんはこう語ります。 「この機器の特徴は、マイクロ流路を使用し、一細胞をエマルジョンの中に閉じ込め、エマルジョン内で溶解した細胞のmRNAをcDNAに逆転写する際に、細胞ごとに異なるバーコードを付加できるということです。この技術により、どの細胞から、どのような遺伝子が発現しているかが検出できます。最大10,000細胞x8サンプルを同時処理する事により、ハンドリングの違いによるデータのばらつきを最低限に抑えて、サンプル中のレアな細胞集団を検出しやすいというメリットがあります。  また、上記のシングルセル解析に加え、ChromiumにはGenome解析のアプリケーションがあり、従来の手法では解析が困難とされていた、ゲノムの大きな構造変異(欠損、挿入、転座、融合)の検出やフェージングが可能です。  シングルセル解析は、がん研究分野で非常に注目されています。同じがん組織の中でも、細胞が不均一に変異・増殖するため、細胞ごとに抗がん剤への感受性や耐性が違います。シングルセルの研究を進めると、細胞ごとの性質の違いを解明する事が出来るので、がん進化や抗がん剤耐性のメカニズムを明らかにする研究のお役に立てると思います。  また、幹細胞の研究では、分化の速度が違う細胞集団を一細胞ごとに検出する事が可能であるため、分化のメカニズムを解明する事により、再生医療の分野でもシングルセル解析は有用だと考えられます。」  

シングルセル解析の今後の課題と、分野に求められる人材像とは

 今後のシングルセル解析の課題としては、細胞がサンプル組織のどの位置にあったのかという“位置情報”が失われてしまうので、シングルセル解析の情報に“位置情報”を紐付できる実験方法の確立が求められています。  『Chromium』をはじめとするシングルセル解析機器の登場で、集団を構成する細胞を詳細に解析できるようになりました。その一方で、分野の人手不足を松山さんは指摘。   「解析により得られるデータ量が膨大であるため、『バイオ』と『インフォメーション』のどちらも扱える『バイオインフォマティクス』のスキルを持つ人材が求められており、製薬会社などでもバイオインフォマティクスのインターンが増えています。バイオはもちろん情報処理の知識も豊富という両方に精通している人材はまだ本当に少なく、バイオの実験経験があるインフォマティシャンが望まれています。」 今後、解析や情報処理の精度が上がることで、人体や病気のメカニズムが、より細かく解明され、新たな治療薬や治療法の確立につながることが期待されています。  

取材先

株式会社スクラム 公式サイト:https://www.scrum-net.co.jp/ 住所:東京都墨田区緑3丁目9番2号 川越ビル

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